2015年07月09日 21時00分00秒

Appleのジョブズも使っていた「LSDの安全性」が3分でわかる「LSD in 3 Minutes」

LSDはサイケデリックな幻覚体験を引き起こす幻覚剤の一種で、日本を含む多くの国で違法な薬物として指定されています。違法薬物でありながら、LSDが引き起こす刺激的なサイケデリック体験に感銘を受けたAppleのスティーブ・ジョブズが「LSDの体験は人生で最も重要な経験の1つ」と話していたことが知られています。そんなLSDが一体どのように生まれて、どのような効果があるのか、危険性はあるのか、致死量はどれくらいなのか、といったことが約3分のムービーにまとめられています。

LSD in 3 Minutes - YouTube

多くの国で違法薬物に指定されているLSDは「LYSERGIC ACID DIETHYLAMIDE(リゼルグ酸ジエチルアミド)」の頭文字をとったもの。

あまり知られていませんが、LSDに毒性はなく……

中毒性もない、「幻覚剤」の一種だとのこと。

エルゴリンと呼ばれるアルカロイドの構造骨格となる化合物からできており、マジックマッシュルームなどに含まれるトリプタミンの仲間でもあります。

初めてLSDが合成されたのは1938年で、化学者アルバート・ホフマンが行っていた麦角菌の研究中に開発されました。偶然、ホフマン博士の手についた少量のLSD溶液が体内に吸収され、強烈な色彩の幻覚を体験したことから、LSDの持つ幻覚作用が発覚したとのこと。

LSDはアサガオやギンバイアサガオ(ハワイアンベイビーウッドローズ)といったありふれた植物の種子から合成することができます。

これらの種子はエルジン(リゼルグ酸アミド)などを含む10種類のアルカロイドを持っています。リゼルグ酸アミドは別名「LSA」とも呼ばれ、LSDとよく似た構造をしています。

合法的に入手できるアサガオの種子を使ったトリップ体験は、ラテンアメリカでシャーマンの儀式のため何世紀にもわたって使用されてきました。

LSDは、セロトニンの動きを模倣してセロトニン受容体から脳に入ります。

脳内の神経伝達物質として働くセロトニンの働きを模倣することで、幻覚や幻視が起こると考えられていますが、LSDによる幻覚体験の正確なメカニズムはいまだ解明されていないとのこと。

そこである科学者が、LSDを服用した30人の被験者をMRIにかけて調査を行ったところ、LSDは意識に関連する脳の領域に作用していることが判明。意識をカットすることで、服用者を自由な思考状態へ移行させるそうです。

同じく幻覚剤として知られるマジックマッシュルームは、LSDと同様の効果を持つと考えられています。ムービーの作成者はマジックマッシュルーム・LSDともに経験したことがあり「どちらも同じような幻覚体験が得られる」、と話しています。

また、これまでLSDが直接的な原因となった死亡例は1件も報告されていないとのこと。以下は身近な物質の人間の半数致死量(投与した対象の半数が死亡する用量)を表わしたもので、水なら6リットル、カフェインならコーヒー118杯分、アルコールなら40度のお酒45mlが13杯。

Compound Interest - Lethal Doses of Water, Caffeine and Alcohol

一方で、LSDの半数致死量は1万2000マイクログラムと考えられています。

これは標準容量のLSD120回分に相当するため、毒性はかなり低いと考えられるわけです。

致死量を超える400回分を一度に摂取したという報告も残っていますが、摂取した人が死亡することはなかったとのこと。

また、LSDは瞬時に耐性を構築する性質を持ちます。

例えば、同じ種類のLSDを毎日摂取したとしても、十分な効果が得られるのは1日目だけで、2日目に続けて摂取しても効力は50%しか感じられず、3日目に摂取しても何の効果も表れないとのこと。つまり連続で服用しても効果がないため、中毒に陥ることがないようです。

よくあるLSDとしては、以下のような何か絵柄のついた紙片にLSD溶液を染みこませたものが知られていますが……

これは街中のディーラーなどが違法的に販売しているもので、LSDに似せた有害物質が含まれている可能性が高いそうです。例えばLSDとして販売されることがある25i-NBOMeという薬物なら、わずか2回分を摂取するだけで死につながる恐れがあります。

そもそもLSDが違法化されたのは1960年代のこと。

そのため、LSDに関する新しい研究はしばらく行えない状態にありましたが……

近年では「MAPS(Multidisciplinary Association for Psychedelic Studies)」と呼ばれる研究組織が、LSDの有用性を研究しているとのこと。イギリスでもイギリスでもLSDを被験者に投与してもよいという許可を得た科学者が40年ぶりに現れました。

また、過去には多くの有名人がLSDを経験しています。Appleの創始者であるスティーブ・ジョブズもその1人。

LSDについてジョブズは「LSDの体験は私の人生のなかで最も重要な体験の1つでした。LSDの体験は、効き目が切れたあとはあまり明確に思い出せませんが、コインに別の側面があることを示してくれました。その結果、LSDはお金を稼ぐことよりも重要な、私のセンスを強化したのです」と話しており、Apple製品のデザインや戦略にLSDの体験が関係していることを明かしています。

他にも、DNAの螺旋構造を発見した科学者フランシス・クリックや……

アメリカのアルコール依存症を克服するための自助グループ「アルコホーリクス・アノニマス」の設立者であるビル・ウィルソンもLSDを使用していたことで知られており、ウィルソンはアルコール依存症克服プログラムにLSDを検討していたほどだったとのことです。

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